点火のボタンを押すことは気持ちの区切りをつけること

火葬場職員 点火ボタン

点火のボタンを押すことは気持ちに区切りをつける大切な行為です。

人は必ず亡くなるものです、遅いか早いかの違いがあるだけです。筆者が火葬場の仕事でもっとも気を遣う場面はやはり喪主さんに火葬の点火ボタンを押してもらうときです。実際はボタンを押しても点火はされませんが(あれは点火する準備ができたことを裏の作業員に知らせる為のボタンです)気持ちの区切りを付けるための大切な儀式なので、点火はされないとわかってはいても心して押すようにしてください。実際、喪主さんがボタンを押してくれないと作業員が火葬を始めることができないので、あれは事実上の点火ボタンとなります。

なかには点火のボタンを押せない人もいます。

泣き崩れてしまったり、躊躇ってしまってどうしてもボタンを押せない場合があります。その場合はどなたか別の方が押すようにしてください。筆者の場合は他の方にお願いしますが、他の火葬場では喪主さんが押せない場合は作業員が押すこともあるそうです。作業員に点火ボタンを押されるよりは身内の方の押してもらうことを故人様としても望まれるのではないでしょうか?それにボタンを押すことで、故人様の死を乗り越えるきっかけになると思うのです。ですから、どんなに胸が苦しくとも点火のボタンは喪主さんが押すようにしてください。

火葬が開始されてから1時間30分後には、気持ちの切り替えができているものです。

点火のボタンを押してしまったら、その重圧に耐えきれなくなってしまうと考えてはいませんか?それは違います。筆者もこれまで数千人の方々のお骨を拾わさせていただきましたが、その経験から言わせてもらえば、立ち上がることすらできないほどに泣き崩れていた人も火葬が始まってから1時間30分後には、遺骨の状態について遺族の方と語り合えるまでに回復するものです。泣きながらボタンを押すことを拒否されていた方も、お骨上げが始まる前に気持ちの区切りを付けることができるようで、お骨上げの際中は骨について『丈夫そうでよかった』とか人工関節を見つけて『こんなのが入っていたんだ…持って帰ってもいいですか?』とか『この年齢なら骨はこれくらい残っているのが普通なんでしょうか?』とか、筆者に質問されるまでに回復されています。なかには棺に泣きながら縋りつくほどだった方が、お骨上げの際には終始遺族の方と談笑したりしていて、こちらが戸惑う場面も多くあります。それは気持ちの切り替えができたということなのでしょう。ですから、ボタンを押されるときは躊躇してしまうものですが、すぐにそれを乗り越えることができますので、どうか安心して押してあげてください。

ボタンを押す瞬間に後悔しないようにいまを全力で生きるということ

ボタンを押す段階に来るまでに悔いのないような人生を送りましょう。これは故人様にも言えることです。ブロニー・ウェア著『死ぬ瞬間の5つの後悔』という本に5つの後悔のひとつとして『自分自身に忠実に生きればよかった』というものがあります。人間は本来、自分もっとも忠実な生き物のはずです。誰かに命令されたり、束縛されたり、規則に従ったりするのが大嫌いな生き物です。あなたもそうではありませんか?誰からも干渉されずに生きていくことができたらいいとは思いませんか?なぜできないのでしょう?子供を見ているとわかりますが、子供は自分自身に実に忠実な生き物です。だから不満があると泣いて抗議するのです。全力で抗議するのです。しかし、成長していくにつれ子供は抗議できなくなっていきます。それは人が持つ本来の意志を抑え込んで生きる術を身に付けたからです。ですが、これが不幸の始まりなのです。

あなたはなんのために生きるのですか?

想像してみてください、もしもあなたに充分なお金が舞い込んできたとして、一生涯他人に尽くして働く必要がなくなってしまったとしたら?あなたはなにをしますか?まず会社を辞めてしまうのではないですか?あるいは、もっと気楽な気持ちで仕事を続けるかもしれませんね。いつ辞めても構わないという心構えならば、もっとリラックスして仕事に打ち込むことができるでしょう。しかし、嫌々仕事をしていたとしたらどうでしょう?殆どの人が仕事をやめるでしょう。そして世界中を旅したりするかもしれません、あるいは好きな土地に家を建てて悠々自適の生活を開始するか、または興味を持った別の仕事に挑戦したりするかもしれません。それが、あなたが本来送るべきだったはずの人生なのです。人間は自分の居場所を見つけることが本能的にできます。しかし、その能力は『お金』の呪縛によって封印されています。お金の呪縛から解き放たれたとき、あなたは本来のあなたを取り戻すことができるのです。そして、あなたが本来送るべきだったはずの人生を見つけることができるのです。

お金に縛られている限り、本当の自分なんてものは見つけることが出来ない。

本来、本当の自分など探す必要がないのが当たり前なのです。しかし、現在では多くの人々が自分自身を見失ってしまっています。そして、失われた自分自身の取り戻し方もわかっていないのが現状です。自分探しの旅をする人も多いですが、お金に縛られている事実を理解しない限りは自分自身を取り戻すことなど不可能でしょう。お金は人々の価値基準を統一させてしまいました。そして、お金を得る為に進学校へ進み、大学へ入って高給取りになることが成功のプロセスだと人々を誘導してきました。そして、その成功例を辿ることが出来なかった人間を排除するような社会システムを構築することにより、企業からの離職を防ぐ効果を狙ったのでしょう。会社を辞めても充分に生活が出来る環境が整っていれば、多くの人がお金と生活に囚われることなく自分の幸福の為に生きることができるようになると思うのです。

 

 

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