火葬炉の裏側では実際なにが起こっているのか?経験者は語る…

火葬炉 裏側 火葬場職員

近代的な火葬施設でも実際の火葬業務はとてもアナログな方法で行われています。

設備の豪華さに騙されて、火葬もボタンひとつで全自動で行われると思っていませんか?実際はまったく違うのです。確かにひと昔まえの火葬場では、まず薪を燃やして煙突を温めてから重油燃料の炉に火を付けるという手間のかかる方法を取っていました。さすがにそれでは多死社会に対応できないということで、現在では石油燃料の炉を使用して、ボタンひとつで瞬時に着火できるようになりました。しかし、それから先は昔となんら変わっておりません。相変わらず炎に包まれた御遺体を眺めながら、デレッキ(鉄棒)で炎が当たりやすいように遺体の位置を調整してやるという方法を60分間ずっと行っているのです。

点火ボタンを押してから10分間は絶対に炉の中を覗きません。

これは鉄則です。なぜなら最初の10分間は御遺体がまだ皮膚を纏っているからです。人間の皮膚が燃える光景など見てしまったら絶対にこの仕事は続けられません。10分も経過すれば皮膚は燃えてしまいますから、あとは肉の塊としての作業を開始することが出来ます。(不謹慎なようですが、そう思わなければ年間1300人もの火葬は行えません)

炎に包まれた髑髏を眺めて思うこと…

炉には御遺体が頭から入るので、作業員は頭の方から足元めがけて灯油バーナーを噴射して火葬することになります。よって、炉を覗くと目の前にはいつも炎に包まれた髑髏が口を開けている光景に出くわします。本当に髑髏です。髑髏そのものです。人体模型やテレビで頭蓋骨の形状を理解していたとしても、実際に人間の顔がそれなのだと実感する機会はあまりないでしょう。でも、我々職員は毎日のように薄い皮膚の下にある髑髏を眺めているのです。そして思うことは『肉体なんて所詮は魂の入れ物に過ぎない』ということです。誰でも一緒です。髑髏は髑髏だし、骨は骨であるだけなんです。肉体なんてたった60分間燃やしてしまえば骨になってしまうだけのものなんです。対して魂はどうでしょう?肉体が無くなったとしても何十年も何百年も人々の心に残ることが出来ます。本当に大切にしなければならないのは『魂』なんです。肉体が朽ちても残された人たちの心に残ることが出来る魂を磨くことこそが人生なのだと筆者は思います。

肺癌や肝臓癌はいつまでたっても灰にはならない。

癌で細胞が高質化してしまっている部分は灰にはなりません。真っ黒な炭としていつまでも残ることになります。作業員は生焼けの肉塊を炉から出すことはできませんから、癌に侵された臓器や骨を炭になるまで焼却しなければなりません。よって他の骨はより長時間炎にさらされることになります。もしも火葬に90分も時間が掛かってしまったり、年齢の割に骨がぼろぼろになっていたりした場合は、作業員が癌細胞を焼却しきるのに時間が掛かったものだとお考え下さい。

太った人は燃えやすい!

太った人は燃えにくいと思いませんか?いいえ、とても燃えやすいんですよ。燃えやす過ぎて炉の温度が1000°以上になることだってあるんです。炉は1000°までしか耐えられませんから太った人を火葬する場合、温度が1000°より上昇しないように途中で炉を停止させることだってあります。そんなわけですから火葬に時間が掛かってしまうだけで、決して燃えにくいわけじゃないんです。

本当に燃えにくいのは痩せている人

痩せているから火葬も早いと思われる人はいませんか?違いますよ。痩せている人は本当に燃えにくいものなんです。特に男性の場合はそうです。女性の場合だとまだ脂肪がありますから燃えてくれるんです。男性で痩せこけている人は本当に燃えてくれません。燃えるべき脂肪がないんです。ですから、必要以上に炉の火力をあげてやる必要があります。火力を上げると骨がぼろぼろになってしまいますが、そうでもしないと筋張った肉体を焼却することができないんです。ですから、長期間の闘病生活の末に火葬された方の骨がぼろぼろになっているのは、闘病生活のせいでもありますが、強力な炎で焼かれたせいでもあるのです。

ペースメーカーが入っていると聞かされた場合の対応

ペースメーカーが爆発するまで絶対に炉を覗き込みません。爆発するまでには10分から20分くらい掛かるのですが、それまでは静観の構えです。火力を上げることはあっても遺体を弄ることはありません。危険だからです。ペースメーカーの爆発は個体差がありますが、とんでもない大爆発を起こす個体もありますので、作業員は爆発するまでじっと炉の前で待っているのです。結果として、火葬に掛かる時間はそのぶん長くなります。ペースメーカーが入っている御遺体を火葬する遺族の皆様は、こういった事情で火葬が長引いているのだということを認識していてください。

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